Design&Tips

美生活のためのフラワーデザイン
美生活のためのフラワーデザインFlora Rumi & Ambiente 向坂留美子

St. Valentine's Day ~ バレンタインデー ~  

バレンタインデーは英語で「Saint Valentine’s Day」、「聖バレンタインの日」という意味です。

「聖バレンタイン」という人物は?

3世紀のローマでは、皇帝クラウディウス2世が国力増強、強い軍隊を作る為に、結婚を禁止していました。
(若者たちが、愛する家族や恋人の元を去りたくないため、戦争に出るのをいやがったのです。)
そんな中、キリスト教司祭であったバレンタインは、かわいそうな兵士たちを見かねて内緒で結婚をさせていました。
それが皇帝の知るところとなり、バレンタインは投獄されてしまいます。当時のローマではキリスト教は迫害されていました。
罪を認め、改宗を迫られたバレンタインはこれを拒絶した為、処刑されてしまいます。その日が2月14日でした。
自分の命を犠牲にしてまでも、神の「愛」を伝え、実践した聖バレンタインを記念する日がバレンタインデーです。

チョコレートを贈る習慣

実は女性が男性にチョコレートを贈るのは、日本独自の習慣です。欧米では恋人同士、友人、家族などがカードや、花束、
お菓子などを贈り合い、広い意味での「愛」を伝える日とされています。
日本では昭和30年代始めに、チョコレート業者がバレンタインデーのキャンペーンを張ったのが始まりですが、
「女性が男性にチョコレートを贈って愛を告白する日」として定着したのは昭和50年前後です。

フラワーデザインとバレンタインデー

“愛の告白”ということから、「ハート型」「赤い薔薇」というのが定番になっています。なので、生花のアレンジメントも
ハート型にオアシスをカットして、赤い薔薇をメインに同系色の薔薇、グリーン、モスなどでハート型の中を埋めたデザインや、薔薇と
ハート型のピックや小物を使ったデザイン、ハート型のリース(生花で作ったハート型テーブルリース、アートフラワーで作ったハート型
ドアリース)・・・というようなスタイルが良く見られます。

Easter ~ イースター (復活祭) ~  

キリストの復活を祝う祭り「復活祭」のことです。その祭りの中心となるのが、イースターサンデーで、移動祝日になっています。
春分後の最初の満月直後の日曜日となります。なので、例年3月下旬から4月下旬の間に巡ってきます。
欧米ではクリスマスと並んで家族が集まる大切な行事です。家の中はイースターカラー(黄色を中心に白や紫など)で飾られ、
復活の象徴である卵は、綺麗な色に彩色されて(イースターエッグ)、芽吹いたばかりの木の枝に飾られます。(イースターツリー
と呼ばれ家の中に飾られます)また、子どもたちは、庭に隠されたイースターエッグを探し当てる競争をしたり、卵の形をしたチョコ
レートや、卵型の器に入ったキャンディなどをもらったりと楽しい休日を過ごします。イースターのデザインとしては、ネスト風のものが多くみられます。

イースターのシンボル

卵(新たな命、復活の意味を持つ)ウサギ(多産なので、繁栄の願いが込められている)他、ひよこや小鳥などがシンボルとなっています。

イースターカラー

黄色を中心に白や紫など。教会では天国を表し不滅と永遠の象徴である「白ユリ」(イースターリリー)と「水仙」、「あじさい」などが
飾られる。白、黄色、紫です。

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Topiary ~ トピアリー ~   

トピアリーとは、もともと“刈り込む”という意味で 、幾何学形や動物の形に刈り込んだ 樹木を指しました。トピアリ-の歴史は大変古く、
それは古代ローマ時代にまでさかのぼる事ができます。
奴隷の庭師が生垣に主人と自分のイニシャルを刈り込んだのが最初で、その技法が本格的に普及したのは16世紀以降の
ヨ-ロッパと言われています。

円錐や球形といった幾何学的な形の他に、動物など具体的な形に樹木を刈り込んだトピアリ-ガ-デンが王宮や貴族の館で流行しました。
これらは庭師が職人技を駆使し何年間もかけてつくりあげたものです。そしてその美しさで今では世界中の愛好者の間に広がっています。
私たちの生活の中でも観葉植物のベンジャミンやコニファーなどをぼんぼり型に刈り込んだものは良く目にしますね。
フラワーデザインでは、こうした造形的な刈り込み型に構成するアレンジメントやデザインをトピアリーと呼んでます。

最も一般的な形はドライフラワーやモスで球形にデザインされたトピアリーで、一本のまっすぐの支柱で支えられ小さな鉢などに
入ったものでしょう。
あとは、クリスマスの頃になると出回るツリー型(円錐形)の飾りなどが挙げられます。
最近ではワイヤーで作られた動物の形をしたフレームの中に水苔などを詰め、アイビーなどの蔓性植物を這わせたものなど、
一般家庭でも手軽に楽しめるトピアリーが人気のようです。

Halloween ~ ハロウィーン ~    

ハロウィン(Halloween)って何?

古代ヨーロッパ(今から2000年以上も昔)の先住民族ケルト人の暦では、11月1日から10月31日が1年とされ、10月31日は、
すなわち古代ケルトの大晦日にあたりました。この日を境に、夏が終わり、暗く寒い季節に入れ代わるとされていたのです。
この大晦日の夜は、ちょうど日本のお盆のように、死者の魂が家に戻り、 悪霊や魔女がさまよい歩くとされていました。
人々は、家々から食べ物を集めて捧げものをしたり、大きなかがり火を焚いて悪霊を追い払おうとしたのです。
(この習慣が、後のハロウィンの祭りに変化していきました)
その後この古代ケルトの慣習に古代ローマの果実の収穫祭と、11月1日のキリスト教の万聖節(キリスト教のすべての聖人と
殉教者を記念する日)を祝う前夜祭が融合していきます。万聖節は中世のイギリスでAll Hallows(Saintのアングロサクソン語)
として知られるようになり、この前夜祭All Hallows' Eveが訛ってHalloweenとなったのです。

その後アイルランド系移民(アイルランドはケルト文化が今日でも色濃く残る国)が中心となって、ハロウィンの習慣がアメリカに
持ち込まれ、19世紀に定着したと言われています。その後徐々に仮装してお菓子をねだる子供の行事という現在の姿に変化して行きました。
こうした長い歴史を経て、現代では宗教的意義は忘れられ、特にアメリカでポピュラーな民間行事として定着しています。
この日は、大きなカボチャをくりぬいて中に灯をともした『jack-o'- lantern(ジャック-オ-ランタン)』を窓辺や玄関に飾ります。
子どもたちは様々なお化けの仮装をして街を練り歩き、「Trick or treat?」(お菓子をくれないと、いたずらするよ)と言っては大人
たちからお菓子をもらいます。アメリカでは、仮装パレードやコンテストが催され、大人も巻き込んだ一大イベントとなっています。
フラワーデザインの世界では、ハロウィンの歴史を踏まえて、カボチャ、果物、キャンドル、などを入れ込み、ハロウィンカラー
(オレンジ、紫、など)でまとめたアレンジを作って楽しんだりします。

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Advent & Christmas ~ アドベントとクリスマス ~   

Advent (アドベント)とは?

11月30日に一番近い日曜日から、クリスマスイブ(4回の日曜日がある)までの期間を「アドベント」(待降節or降臨節)といいます。
Adventとはラテン語の Adventus「到来」から来ており、救い主の到来を心待ちにする時期です。
この時期のヨーロッパは寒く暗い季節ですが、街のいたるところにクリスマス市が立ち、美しいイルミネーションの中でクリスマス
用品(ツリーの飾りや、クリスマスのお菓子、アドベント・クランツ、キャンドル・・)が売られます。
アドベントの期間にフランスやスペイン・・ヨーロッパの他の国々など回りましたが、私にとってはドイツのアドベントが一番シックで、
品があって、街を歩いているだけでも幸せな気分になれました。家々の窓辺の飾り、ショッピング街のイルミネーション・・・
その、色合い、素材、アイデア・・全てが私の感覚にぴたりと来るのが不思議です。

この時期、アドベント・クランツ(モミの木やヒバなどの常緑樹で作ったリースに4本キャンドルが立てられたもの)が教会や家庭に
飾られ、日曜日ごとに1本ずつキャンドルが灯されていきます。4本のキャンドル全てに火が灯ると、いよいよクリスマスということになります。
人々はこのキャンドルの炎の数を眺めながら、クリスマスがどれくらい近づいているのか感じながら過ごすのです。
アドベント・クランツはテーブルや窓辺だけでなく、天井から吊り下げて飾ったりします。

クリスマス(Christmas)って?

クリスマスは救い主イエス・キリストの降誕を祝う日です。クリスマスは英語で、キリスト(Christ)のミサ(mass)の意味。
12月25日がクリスマスデイ、その前夜がクリスマスイブです。
日本のようにクリスマスはロマンティックに恋人と共にお洒落なレストランで・・などということは不可能。
お店がイブの夕方くらいから26日ごろまで全部閉まってしまうのです。
そう、クリスマスは日本のお正月と同じように家族が集まり、この日の為に時間をかけて用意されたクリスマスの手料理を家族で
ゆっくりと味わった後、プレゼントを交換、そして皆で教会のミサに参加するのです。

あまのじゃくな私たちは、ドイツで過ごした3回のクリスマスイブを外食に拘り、ケルン中を車で回って駅の裏に唯一イブの日も
オープンしているインド料理のレストランに通ったのでした。
宗教が違うからオープンしていたのでしょうが、他何件かあるインド料理店、また中華料理店は閉まっていました。
でも驚くことに、レストランに来ているのは、外国人ばかりかと思うなかれ、ドイツ人がほとんどであったのには驚きました。
子連れもいました!
ゆっくりとインド料理のコースを味わった後、歩いて5分、あのケルンの巨大ドームのミサに紛れ込むのが私たちの年中行事でした。
いつもはがらんとしているドームの中が、この日は満員御礼状態。立ち見は当たり前。そう、日本の初詣を想像して頂ければ
分かると思います。日頃は教会なんて見向きもしない人々もこの日だけはミサに足を運ぶんですね!
(主婦業放棄と思わないで下さいね!25日は私の手料理にしてましたから!)

クリスマスリース

リースはクリスマスに欠かせないオーナメントの一つになっています。
伝統的なリースは永遠の命を象徴する常緑樹(モミ、ヒバ、ヒムロスギなど)で作られエバーグリーンリースとも呼ばれます。
リースには収穫や豊穣を表す実ものや姫リンゴ、シナモンなどがあしらわれ、新しい年の平安と繁栄を祈ってクリスマスから新年に
かけて飾られます。もともとリースは丸い輪という意味で、終わりのないところから、「キリストの永遠の愛」を表しました。

クリスマスカラー

赤: キリストの血、キリストの愛
緑: 常緑樹、永遠の命
白: 純粋、潔白
金(銀):キリストが生まれることを示した星の色。また東方の三賢者がキリストの誕生を祝った贈り物の1つ
     「黄金」の色でもある。富、希望の象徴。

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